
HiPro Direct インタビュー一覧
10年以上経営に携わってきたご経験を活かし、副業に取り組む上谷 宗久さんにインタビューしました。15件の案件を獲得するための応募の秘訣や、副業の魅力についてお伺いしました。
副業者
上谷 宗久さん さん(インタビュー時:50歳)
お仕事:精密研磨材メーカーの取締役及びITベンチャーの社外取締役として経営に長年携わる。 副業歴:2023年に副業を開始。HiProでの副業経験を起点に会社を設立し、15件の案件の活動実績がある。
上場企業の精密研磨材メーカーで取締役を務めています。また、ITベンチャーの社外取締役も兼任しており、大小さまざまな企業で長年経営に携わってきました。
私は仕事が生きがいなのですが、コロナ禍の影響により家で仕事をする機会が増えたことで「社会に出てはたらき、結果を出している」という実感が薄れている感覚がありました。仕事以外の時間も増えたのですが、仕事のほかにやりたいことがなかったため、時間を持て余していることにも不安を覚えたのです。
特に、定年退職した後を想像すると、老後の時間に生きがいを見出せなくなるのではないかという不安が強まりました。そこで、老後もはたらき続けられるような経験や実績を積むため、副業を始めることにしました。
私の性格上「まずやってみる」ことを重要視していたため、開始前にネガティブな考えを持つことはありませんでした。副業をしたいと思っても実際にアクションを起こせる人は少ないと考え、アクションを起こした時点で案件を獲得できるだろうと予想していました。
副業は1か月程度の短期の案件も豊富なので、最初の一歩を踏み出すことに不安はありませんでした。
本業では10年以上経営に携わっているため、その経験を活かせる社長の壁打ち相手になるような案件をメインに探しています。相談内容は営業戦略、新規事業の立ち上げ、Webマーケティングなどさまざまですが、代表とともに行う業務か否かを重視しています。
基本的には関わったことのない業界の案件に挑戦し、知見を広げられるようにしています。副業で未経験業界の知識を得ることで、本業の活動にも深みが出る実感があり、副業の良いところだと感じています。
製造業を中心に、物流、農業法人、社労士や税理士事務所、大学発スタートアップなどの案件を担当してきました。HiPro Direct経由では9社、副業全体だと15社の支援経験があります。経営のアドバイスを行うコンサルタント、販売戦略策定や事業化支援、培ってきた人脈を生かした販路拡大支援など、さまざまな領域に挑戦してきました。
私は、売り上げが伸びない、事業継承者がいないといった課題を抱える中小企業を守ることで、社会に貢献したいという想いを強く持っています。自分のスキルや知識を活かし、こうした課題を解決することで、日本の産業や高度な技術を守りたいのです。
次の世代に事業や技術をつないでいくことが自分の使命だと考え、生涯を通して活動を続けたいと思っています。
副業はとにかく楽しく、生涯の生きがいになるだろうと思っています。副業には社会の課題を解決できるパワーがあると思っているので、さらに社会に浸透したら良いなと思っています。
本業に還元できた例を挙げると、社労士や税理士事務所の案件で得た知識は、本業の経営に直接活用できました。大学発スタートアップの案件では、最先端のテクノロジーに触れる機会があり、本業への導入を検討できました。Webマーケティングの経験は本業でのオウンドメディアの運営に活きています。
本業だけでは知ることができなかった情報に触れる経験が、本業にも好影響を与えていると思います。
応募の段階では、すでに依頼企業の基礎分析が完了している状態にしています。コンサルティングのさまざまな分析手法を用いて依頼企業における市場やポジショニング、強みや弱み、抱えているであろう課題の仮説などを資料にまとめておくのです。応募前にここまで徹底した下調べをしている人は、ほとんどいないと思います。だからこそ、依頼企業の印象に残るし、依頼したいと思ってもらえるのだと思います。
応募後の面談では、自分の経歴や大事にしている価値観、現在の活動内容も短く資料にまとめ、支援内容をなるべく具体的にプレゼンします。資料はショートバージョンとロングバージョンの2種類用意しておき、面談相手に応じて使い分ける工夫をしています。
依頼企業からすると、外部の人材がリモートで仕事をしているので、どのように取り組んでいるのか様子が見えず不安になると思います。そのため、信頼を得るまでは、自主的に週次で活動レポートを提出しています。曖昧な表現はせず、できるだけ具体的、定量的に記載する工夫をしています。
もとより、依頼企業から報告を求められるような仕事のやり方はしないように気を付けています。定例会の開催は自分から提案しますし、定例会の最後には必ず次回の開催日を決めるようにして、コミュニケーションを密に取れるよう調整しています。チャットツールを利用し、日常的にやりとりできる環境も作っています。
いかに依頼企業の印象に残るかを考えて、応募や面談に臨むことが重要だと思います。私は一つの案件につき、20人から50人くらいの応募があると想定して応募しています。その中で選ばれるにはどうすべきか考えて、案件獲得に向けたアクションをしています。気になった案件に臆せず応募することは重要ですが、獲得の精度を上げるための工夫こそ大切です。
副業は、個人の生活を充実させる手段以上の価値があります。対価を得ながら社会に貢献できる副業がもっと広まれば、世の中がどんどん良くなると思っています。
特にスキルや経験を十分に積んだミドル層の方たちには、今後の社会構造をどう支えていくかという大きな視点を持って副業にチャレンジしてほしいです。
※ プロフィール内容および仕事内容は、取材当時のものです。