副業先進県「秋田」の真髄。「まずやってみれ精神」と「徹底した対話」から生まれるエキサイティングな副業・兼業プロジェクト

掲載日:2024/08/08

対象の特集ページはこちら

東京・羽田空港から秋田空港や大館能代空港までは、飛行機で約1時間です。意外と近くに感じられる秋田県でいま、都市部のプロ人材が活躍しています。秋田県が実施する副業・兼業人材と企業のマッチングを推進する「秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点」は、2015年12月より内閣府の地方創生事業として公益財団法人あきた企業活性化センター内で活動を開始して以降、右肩上がりでその実績を伸ばしているようです。

全国屈指の成約数を誇る秋田県には、どのような魅力があるのか。そして、なぜ副業や兼業を希望する都市部のプロ人材が秋田県に注目しているのか。今回は、秋田県における副業・兼業人材と企業の橋渡し役を担う「秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点」の菊地 智英さんと柿崎 博美さんに、その魅力を伺いました。

profile

秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点

菊地 智英 氏

秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点

菊地 智英 氏

秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点 マネージャー。
少子高齢化や人口減少などの課題先進県である秋田の県職員として、秋田県を元気にするべく、秋田産学官ネットワークの連携促進および運営、秋田県の情報部門およびDX化に大きく貢献。2020年より、得意分野であるICTの知見に加え、長年の行政職員としての経験を活かし、公益財団法人あきた企業活性化センター・専務理事兼事務局長として辣腕を奮う。2024年から、県内企業を活性化する「攻めの経営」の後押し役である「秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点」マネージャーに就任。

profile

秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点

柿崎 博美 氏

秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点

柿崎 博美 氏

秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点 サブマネージャー。
1971年より公益財団法人あきた企業活性化センター勤務。国の中小企業支援ネットワーク強化事業アドバイザーや秋田県よろず支援拠点サブコーディネーターなどを歴任。また、2011年から2021年までの10年間は東北IM連携協議会の代表幹事として、東日本エリアの(一社)JBIA認定のインキュベーションマネジャーを統括する。2015年12月の「秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点」立ち上げから現在まで、サブマネージャーとして活躍。独自のヒアリングシートを基にした事業分析から課題設定による伴走支援サポートを得意とし、これまで支援してきた企業数は数えきれない。

bg-article-1

「秋田県プロフェッショナル人材募集数、成約件数推移(正規雇用、副業・兼業)」令和6年3月末時点のグラフ。開設以来、右肩上がりで伸びている。(秋田県プロフェッショナル人材拠点提供)

副業・兼業を希望する都市部のプロフェッショナル人材が注目する秋田県の魅力とは

秋田県は副業と兼業のマッチング成約数が全国的にも多く、注目度も高まっています。秋田県ならではの副業や兼業の魅力を教えていただけますか?

菊地氏:2018年の副業解禁は、我々地方の県にとってもチャンスだと捉えました。実際に県内企業と副業や兼業を希望する都市部のプロ人材のマッチングを進めていくと、募集内容に興味を持ってくれるプロ人材が何人も手を挙げてくださるようになり、さまざまなご提案をいただけるようになりました。

いままで接してこなかった分野のプロ人材からお話を聞くことで、経営者側も「あのアイデアも良いな」「これも実現してみたい」と、積極的になってくることがあります。1人の募集だったはずなのに、実際には4人と成約したというケースもありました。こうして、一気に成約数が伸びていきました。

柿崎氏:プロジェクト内容をプロ人材にお伝えする時には、経営者の想い、その背景や募集動機、実現したいことなどを丁寧に分かりやすく示すようにしています。我々も熱意を持って経営者と向き合いながら課題を探っていくのです。

経営者は課題感を持ちながらも、その課題が明確になっていない場合もありますから、我々は想定される課題の一覧表を提示するようにしています。一覧表を見せながら経営者の方の課題感をヒアリングすることで課題を明確し、そのうえで「この課題はプロ人材と親和性があります」とお伝えするようにしています。このように熱意を持ちマッチングのための工夫を積み重ねることで、秋田県の副業と兼業が魅力的なものになったのだと感じています。

また、商工会議所や商工会などの機関と連携しながら、秋田県内の企業のニーズが秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点に集まる仕組みを構築してきたという背景もあります。

bg-article-1

「面白いプロジェクトが動き出すことで、秋田県内の関連企業との連携も期待できる」と菊地さん

「まずやってみれ」精神で、経営者とプロ人材の双方が面白いと感じるプロジェクトに

※「まずやってみれ」とは「まずはやってごらん」を意味する秋田の方言

これまで、印象に残っている事例などありましたら教えてください。

菊地氏:宮腰精機株式会社という印刷機メーカーで、工場長からAIを搭載した世界初の輪転機をつくりたいとご相談いただいた事例が印象に残っています。

宮腰精機株式会社の工場長は、非常に発想が豊かな方なんです。熟達した技術者がいなければ自社の印刷機を動かせないという課題をお持ちで、特にインク量の調整などの部分で難しさを感じていたようです。その熟練工の技をAIに学習させ、輪転機に実装したいという思いを「まずやってみれ」の精神でお伝えいただいたことで、AIに精通するプロ人材とのマッチングを実現できました。

AIの目となるセンサー部分は、秋田県内の企業の光センサーを採用し、ロール部分の水分量などを検出できる仕組みになっているなど、県内メーカー、県内製造業の連携にもつながっています。また、プロ人材の参画によって刺激を受けた社員の目の色が変わり、社内が活性化したと聞いています。

柿崎氏:プロ人材の応募のきっかけは、輪転機にAIを搭載するという世界初のプロジェクトに興味を持ったことでした。課題をミッション化してプロジェクトを提示するというのが、秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点である我々の役割です。新しい事業を始める、新分野に挑戦するといった経営者の決断に、我々が伴走することによって面白いプロジェクトが生まれるのです。

面白いプロジェクトを生み出すことで、プロ人材が興味を持ちスキルや経験を発揮したいと思うようになる。こうした取り組みが、秋田県で副業や兼業をする魅力につながっているのだと思います。

bg-article-3

プロ人材によって企業が刺激を受け、スキルのアウトプットによってプロ人材側も刺激を受ける。相互に刺激し合うことで生まれるシナジー効果にも期待を寄せる

独自視点のサポートがあるからこそ、全力で自分の知見やスキルを活かせる

最後に、副業や兼業を希望するプロ人材へメッセージをお願いします。

柿崎氏:企業からプロ人材の活用についてご相談をいただいた時点で、企業側が不安を抱いているケースはゼロではありません。たとえば、スマートフォンやパソコン、オンラインミーティングのツールなどを全く使ったことがない企業が、プロ人材ときちんとコミュニケーションができるのか不安、という場合もあるでしょう。そうしたケースでは、ITの専門家に経営者へのサポートを依頼し、支援しています。

専門家に同席いただくことで、経営者が実現したいことをプロ人材へ伝わりやすくするサポートなどもしています。このように、我々も懸念点に先手を打ってマッチングの準備を進めていますので、安心して応募してほしいです。

菊地氏:秋田県には、スキルや経験をお持ちのプロ人材を求める企業がたくさんあります。ぜひ、そのスキルを副業や兼業を通じて活かしていただき、秋田県のことを少しでも好きになってもらえたら、これほど嬉しいことはありません。

副業や兼業を希望する都市部のプロフェッショナル人材と秋田県内企業の橋渡し役を担う「秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点」は、スキルや経験を活かしたいという思いを持ったプロ人材を幅広く募集する興味深いプロジェクトを展開しています。そんな秋田の地で、自らの実力を活かしながら、エキサイティングな副業や兼業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

bg-article-4

秋田から生まれるプロジェクトへの挑戦をお待ちしています。

※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。

SNS Link

facebook x linkedin line

対象の特集ページはこちら