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高齢化や人材、労働力不足が叫ばれて久しい一次産業ですが、新規参入し、製造、加工、流通、販売までを一貫して行う新たな事業を生み出す動きが出てきています。
熊本県合志市にあるうさぎ農園は、代表取締役の月野 亜衣さんが夫・陽さんとともに2012年に創業した野菜農園です。少量多品種の方針の下、オーガニックの西洋野菜や日本の野菜を200種類以上栽培し、それらを原料にした加工品も約100種類製造、販売しています。卸業者を通さず消費者に直接販売しており、顧客のほぼ100%をSNSで獲得しているのが特徴です。日々、フォロワーとの対話を続け、それがきっかけとなり新商品の販売にもつながっています。
加工品のラベルデザインの見直しや国内外への販路拡大の検討に併せて、プロ人材を募集するうさぎ農園の月野さんに、副業で農業に携わる魅力や求める人材像等についてお話を伺いました。

株式会社うさぎ農園 代表取締役。福岡県生まれ。大学卒業後に東京で不動産会社に就職後、結婚を機に航空自衛官の夫・陽さんの勤務地がある石川県に移る。自身は現地で高校の教員に。その後、陽さんの故郷の熊本県合志市で、陽さんの祖父が営んでいた馬の牧場跡地で農園を開くことを決意。現在、農作業は陽さんが取り仕切り、月野氏は商品開発と販売を担う。

少量多品種で栽培されるうさぎ農園のカラフルな野菜。
異色の経歴の夫婦が新規就農したカラフル野菜の農園
今のうさぎ農園がある場所は、元々は夫の祖父が営んでいた馬の牧場でした。昔は近所の子どもたちが馬を見に来ていて、活気があったそうなのですが、後に牧場は閉鎖され、手つかずのままになっていました。「昔のように活気溢れる場所にできないか」と2人で考え、農家レストランを開くことを目指し、「材料となる農作物を作ろう」と思いついたのがきっかけです。
当時、夫の勤務地がある石川県に住んでおり、私自身も現地で高校の教員をしていましたが、合志市にUターン移住し、2012年に新規就農しました。
ニンジンやジャガイモ、キャベツ、トマトなど、全てカラフルかつ少量多品種で栽培しています。そのほかにもニンニクやタマネギ、ショウガ、米粉、大豆なども作っています。年間を通すと200種類以上になります。また、これらを原料にして、ドレッシングやジャム、ラー油漬け、米粉を使ったお菓子といった加工品を100種類ほど製造、販売しています。
消費者には毎週1回お届けする定期便やオンラインショップを通して、直接販売しています。購入者層の多くは子育て中の方です。「子どもがよく食べてくれる」という声をたくさんいただいています。
SNSを最大限に活用しています。現在、うさぎ農園のフォロワーは2.4万人で、商品購入者のほぼ全てがフォロワーの皆さんです。うさぎ農園ではフォロワーとの対話を積極的に行っており、それらの対話がきっかけになって商品が生まれることもあります。
先日も、早朝に私がトウモロコシを収穫し、「ポップコーンにして販売しようかな」とSNSでつぶやいたところ、フォロワーから「自分たちでポップコーンを作りたいので種のままで買いたいです」とコメントがありました。そこで、急遽種をその日のうちに包装して販売し、すぐに完売するといったことがありました。
このほかの販売チャネルとして、農園そばにある自動販売機のほか、2024年5月に熊本市内にオープンしたアンテナショップがあります。6月には東京のポップアップイベントにも出展しました。また、私自身が講師となるオンライン料理教室をライブ配信で実施していて、これもうさぎ農園のフォロワー獲得につながっています。
一言で言うと、「これからも農業を続けていきたいから」です。自然を相手にする農業は奥が深く、継続が難しい業種です。天候や災害によって出荷できないこともあるわけです。
継続が難しい農業を続けていくために、多角的な展開でリスク分散を図っています。ただ、私は前向きな性格なので、農業を続けることも、リスク分散のためのさまざまな試みも、「挑戦」と捉えて楽しんでいます。
うさぎ農園でも影響がありました。夏野菜が採れなくなり、2024年8~9月の2ヶ月間、定期便をお休みすることになりました。2020年12月の開始以来、休止は初めてのことです。しかし、そこは前向きな性格を活かして、2024年10月の再開までの期間を利用して、商品デザインの見直しや新たな販路拡大について戦略を練ろうと考えています。そこでHiPro Directを活用しプロ人材の力を借りたいのです。

ドレッシングやジャム、調味料などの加工品。約100種製造、販売しているという。
パートナーの関係でプロ人材と新しいものをつくりあげたい
プロ人材に依頼したい業務は3つあります。1つ目は、加工品等のラベルをはじめとしたデザインの見直し。2つ目は海外への販路拡大。3つ目は国内での販路拡大です。
デザインの見直しについて、うさぎ農園にはロゴや加工品のラベルで使用している万人が親しみやすい、シンプルでかわいいデザインがあります。ただ、これから国内外へ販路を拡大していくにあたり、洗練されたプロダクトが扱われている店舗や、ホテルのような空間に並んでも違和感のない、より高級感のあるデザインもあればいいなと思っています。
うさぎ農園では、作物がたくさん採れた場合や、フォロワーとの対話をきっかけに急遽製造する加工品があり、その日のうちに瓶詰めや包装をして販売することがあります。その場合、これまでは私自身が簡単にラベルのデザインをしていました。今後は、加工品のラベルデザインの制作実務や、商品ビジュアル全体のアドバイスなどをプロ人材に依頼し、素敵なデザインを作っていきたいと思っています。
海外への販路拡大と国内での販路拡大は、戦略を練るところから実行する部分までお手伝いいただきたいです。海外であれば、国によってどのような層にターゲットを絞るべきか、販売する商品は何が適切かなど、リサーチも含めてアドバイスがほしいです。
デザインでも販路拡大でも、プロ人材の方には私たちのパートナーという気持ちで参画してほしいと思っています。お互いがパートナーの立場で、一緒になって新しいものを作り上げていく関係性を築けたらいいですね。
本業の知識やノウハウを活かしてくださることを期待しています。また同時に、プロ人材の方にとっては、本業では経験できないことにも挑戦できる機会になるのではないかと考えています。スキルを活かしていただきながら、お互いが成長できることを期待しています。
私たちは、消費者の日常に溶け込むような「かかりつけ農家」でありたいと考えています。対話を通じて消費者から日頃の出来事や相談を聞き、「それであれば来月はこういうものを定期便でお送りしますね」といった具合に、コミュニケーションを取りながら商品を提供していく。そのような存在でありたいです。こういった考え方に共感してくださる方が活躍いただけると思います。
仕事を通して成長できる集団でありたい
私自身もそうなのですが、前向きでスピード感がある人が多いです。うさぎ農園には現在、正社員、パートやアルバイト含めて9人の従業員がおり、年齢も20代の新卒から40代までと幅広いです。私たちは仕事を通して成長する集団でありたいと思っています。成長するためにはどうすればよいのか皆が考えているので、うさぎ農園ではたらいていると自然と前向きになっていきます。
うさぎ農園では、私が従業員に対して業務に関する細かい指示をすることはほとんどありません。業務を進めるうえでの大まかな仕組みを私が作り、その中で従業員がそれぞれ自主的に考えて効率よく業務を進めています。

月野さんは「うさぎ農園の従業員はチームワーク抜群」と話します。
挑戦を続けるうさぎ農園で有意義な副業体験を
私は日頃の忙しさから、自分が知らないことをインプットする機会があまりありません。デザインや販路拡大についてもそうです。そのため、プロ人材の方から色々な提案をいただいた状況を想像すると「そんなこともできるんですか!」と驚いている自分の姿が目に浮かびます。自身の経験やスキルを存分に発揮いただける環境ですので、プロ人材の方もやりがいを感じていただけるのではないでしょうか。
うさぎ農園は挑戦を続けている会社です。単に楽しくワイワイするのではなく、みんなで連携して目標を達成し、喜びを共有するという風土です。プロ人材の方にも、ぜひ私たちと一緒になって共に挑戦し、有意義な副業体験をしていただけたらと思います。
一次産業と言っても、昨今はうさぎ農園のように独自のやり方で製造、加工、流通、販売などに取り組む事業者もいます。農作物を栽培し、収穫するという業務に限らず、デザインやマーケティング、販路拡大、接客などさまざまな関わり方が可能です。本業がどのような分野であっても活躍の場が待っている。そんな一次産業での副業をぜひ検討してみてください。

農業をはじめとした一次産業で、自身のスキルや経験を活かしてみませんか?
※ 所属・肩書および仕事内容は、取材当時のものです。